8月のちひの日記

8月31日(火)

「今日でなつやすみもおしまいですね」ってテレビの人が言ってました。
「学生さんはなつやすみだったんですね……ちひ〜」
「うらやましいのかい? コネコちゃん」
「う、うらやましくはないのです! だってちひはまいしゅう2回もお休みとかあるのです! あとおしごともおべんきょうもすきです!」
「まえむきなコネコちゃん…………きらいじゃないぜ」

 よし、こんしゅうはおべんきょうがんばろう!
8月30日(月)

「ちひ君、もう大丈夫かな?」
「大丈夫です! ご心配おかけしたのです」
「うーん、ちひ君もしっかりした女性になってきたねえ」
 生倉センパイがかんしんしてくれました。

 うん、元気出たから、がんばろう!
8月29日(日)

 神乃木センパイのポケットでずっとすごしてました。
 ちょっとおちつきました。ちひ。

 センパイにはたくさんしんぱいかけちゃったから、おわびにコーヒーをいれてあげました。
8月28日(土)

 ずーっとなきつづけて、今日になってしまいました。お外は雨です。
 だから、海にいけなくなっちゃいました…………ちひ……。

「らいしゅう、かならず行こうぜ。今年はあついからな、まだまだ海はまにあうさ」
 神乃木センパイがなぐさめてくれます。

 ちひはずっとセンパイからはなれませんでした。ちょっとでもはなれたら、またないてしまいそうなのです。
8月27日(金)

 夕方頃。
 ちひのほっぺが、つめたくなりました。

「……………………………………ちひ?」
 さわったら、水がついてました。

「おい、ちひ。どうした?」
「ちひくん、どうしたんだね?」
 センパイたちがちひを見てびっくりしてます。ちひだって、なんだかぜんぜん分かりません。

 でも、でもでも。

 ちひは、とつぜんなきだしてしまいました。

 なみだがたくさん出て、ぜんぜん止まらないのです。むねがいたくて、いたくて、ちひはずっとないていました。

 …………どうして?
8月26日(木)

「それじゃ、しゅうまつは海だな」
「やたー! うみーうみー! ちひは海はじめてですっ!」
「そうぢゃな、親ぼくを深めるにもいいかもしれん。じむ所でけいひを出すぞい」
「お、ジーサン見かけどおりのふとっぱらだぜ」

 じむしょのみんなと、はじめての海! ちょーたのしみー! ちひっ!
8月25日(水)

「ちひくん! れいのものがとどいたよ!」
 生倉センパイがとうとうみずぎをくれました! やたーやたー!

 ためしに着てみました。うえと、したと、分かれてて、あと布がついてるのです。ぱれお? だっけ?

「どうかねちひくん…………あれ?」
「ちょうどよかったです! 早くプールか海にいきたいですねvv ちひーvv」
「いやその……もうぬいじゃったのか……」
「しちゃく、してみましたよ? ちょうどよかったですよ?」
「あ、ああ……うん。そうだね」
 カメラをもった生倉センパイは何がしたかったのかな。
8月24日(火)

 今日は神乃木センパイのさいばんだったけど、小さい人は見つかりませんでした。
8月23日(月)

 コネコが人間になることはできないんだって、まんがにかいてありました。
 でも、ちひはちひだから、人間になれると思います。

 …………? ちひはもう人間なのかなぁ。そしたらちひは、何になればいいんでしょう?
 そういえばさいばんしょでみた、ちひくらいの小さい人、どこにいるんだろう?
8月22日(日)

 今日は雨でした。スーパーにおかいものに行って、あとはおうちでごろごろしてました。

 神乃木センパイが、まんがを買ってくれました。「わたのくにほし」という、ネコとかにんげんとかのまんがです。コネコはにんげんみたいだけど、にんげんじゃなくて、にんげんになるほうほうをさがしています。

 まるで、ちひみたいなのです。
8月21日(土)

 インターネットばっかりしてたらいけない、と思いました。インターネットは、いろいろなことが分かるけど、何が本当かちゃんと分かるようにならないと、ダメなのです。
「クッ……ちゃんと分かってるじゃねえか、コネコちゃん」
 神乃木センパイにそういうと、ほっとしてちひの頭をなでてくれました。

 今日はでんしゃにのっておかいものに行きました。神乃木センパイの新しいスーツは、しましまでかっこいいです!
8月20日(金)

 あつい日に、あついラーメンはおいしいです。
 今日はあつい日に、あついうどんをためしてみました。

 うまい!
8月19日(木)

 神乃木センパイのゆびわを頭にのせてあそんでみました。
 重い!
8月18日(水)

「神乃木センパイ! ちひはまほうつかいのせいで小さくなったんじゃないと思います!」
「…………………………そうだろうぜ」
「ですよね? やっぱり」

 やっぱりちひは、元からちひです。



→→→→→→→→→いったいどうしたんだい、コネコちゃん?
8月17日(火)

 ちひにとって、神乃木センパイって何でしょう?
8月16日(月)

「ちひくん! らいしゅうあたりまでにはみずぎを作ってくれるそうだよ」
 生倉センパイが言いました。やった!

「そうしたら、『私と』いっしょにプールへ行こうか。それとも海へ……」
「そうだな、さいきん行ってねえな。『みんなで』行くか」
「わーいわーいみずぎーv 『みんなで』プールか海〜!」

 ちひはすごくうれしかったけど、生倉センパイはなんだかかなしそうなかおをしていました。なんで?
8月15日(日)

「神乃木センパイ」
「何だい、コネコちゃん」
「ちひは、あと何センチおっきくなったらいいですか?」

 そしたらセンパイは、ちひの頭を大きなひとさし指でなでました。

「あせりなさんな、コネコちゃん。いつかアンタは、アンタにふさわしいカタチになれるはずさ」
「そうなのですか」
「クッ……きっと、そうさ。だれだって自分の生き方に見合うカタチになるよう、さだめられてるからな」
「そうなのですか」

 センパイが言うのだから、きっと本当です。
 ちひは、何センチになるのかな?
8月14日(土)

 神乃木センパイが、ソファでうとうとしてました。
 ちひは、そばによって、神乃木センパイのカオを見上げました。

 センパイのカオは、ソファのひじかけのはるかかなた。
 まっかなシャツのそでにしがみついて背のびしてみたけど、ぜんぜんとおいのです。

「…………、ん、コネコちゃん。どうしたんだい?」
 センパイをおこしてしまいました。ゴメンなさい、センパイ。

 背のびしてキスできるには、背があと何センチひつよう?
8月13日(金)

「あれ、生倉センパイはお休みですか?」
「らしいぜ」
「そか」

 たぶん、「有明まんがまつり」に行ってるんですね。たしかそう言ってたのです。そこにあの、ちひの服を作ってくれる人が来るので、ちひのみすぎをたのんでくれると言っていました。がんばれ、生倉センパイ!
8月12日(木)

「生倉センパイ、おねがいがありますっ!」
「うむ、どうしたねちひ君?」
「ちひは、みずぎがほしいのです!」
 ちひはおきゅうりょうのお金を出して、生倉センパイにお願いしました。

 だって、インターネットで聞いたのです。おっきくなるにはうんどうがよくて、あついときにはすいえい、なのです。だからちひも、みずぎがほしいーーーーーーーーっ! ちひーーーー!

 そしたら生倉センパイはすっごいすっごいおどろいて、あたふたしてました。ちひがワガママ言ったから、あきれたかな?
「ち、ち、ちひ君! そうかね、そうきたかね! それはおどろいた。私もかんがえていなかったよ。ううむ……私もまだまだあまいな……」
「あの、あの、みずぎは高いですか? ちひはおよぎたいのですけど、みずぎじゃなくてもぱんつでおよいでもいいですか?」
「それはそれで!」
「おっとまちな、コネコちゃん。そいつはぼんくらセンパイがゆるしても、このオレがゆるさねえぜ」
「むう、神乃木。よけいなことを……」
 また、生倉センパイと神乃木センパイがケンカです。ち、ちひ〜〜〜〜っ!

 生倉センパイが「こんど、かならずよういさせよう」と言ってくれました。やったぁvv

 みずぎがないので、とりあえずラジオたいそうをはじめてみました。うんどうして、おっきくなって、べんごしになる!
8月11日(水)

 すごいショッキング! ちひはびっくりです。
「ちひ! ぼんおどりにはお面をつけなきゃだめだったらしいです!」
「そんなしきたりは聞いたことねえなぁ……」
 神乃木センパイも知らなかったみたい。だってぼんおどりしてた人たちは、お面なんてしてなかったですよねぇ?

「ちひー。でもおばけが来るからお面をつけるといっしょにおどれるって」
「アンタ、そんな話どこで聞いたんだい?」
「インターネットです」
「…………クッ、コネコちゃん。じょうほうの海でおぼれちゃったかい?」
「インターネットの人もそう言ってます」
「……………………………………」

 神乃木センパイの困ったカオは、ちょっと…………かわいいです。ちひひ〜、今日もゴメンなさいっ!
8月10日(火)

「うう……だめだ」
「だめですか」
「今日はダメだ。帰るぞ、ちひ」

 神乃木センパイがギブアップです。夏バテが神乃木センパイにもきてしまいました。仕事もそこそこにおうちにかえって、クーラーのお部屋でアイスコーヒーをのんでいました。
 ぐったりなセンパイを見るのははじめてかも。ちょっと……おもしろいです。ちひ〜。ゴメンなさいっ。
8月9日(月)

 ぼんおどりって、元気が出る!

 さいきんばてばてだったのに、おどりをおどったら、今日は何だかすっごく元気です。ぼんおどりマジック!
8月8日(日)

 今日もお祭りでした。ゆかたをきて、神乃木センパイといっしょにあそびにいきました。

 ぼんおどりって、このあいだは見なかったけど、今日はじめて見ました。
「この前の祭りはでかかったからな。こんでるところには連れていかなかったのさ。わるいな、ちひ」
「ちひ〜、わるくないです。……でも、どっちみち、ちひは小さいからおどりには入れそうにないですね」

 みんなたいこの台をかこんで、くるくるおどるのです。ちひが入ったら、きっとすぐにふまれちゃいます。

「そうだな…………じゃ、ここでやんな」
 神乃木センパイは、うちわを横にしてちひをのせてくれました。

 神乃木センパイがもってるうちわの上で、ちひもぼんおどり! ちひはうちわの「祭」の文字の回りをくるくる、おどりました。ぼんおどりって楽しいです!
8月6日(金)

 ちひはかみを結うのがへたなので、神乃木センパイに毎朝やってもらいます。

「クッ…………ほんとに小さいんだな、アンタ」
「ちひ〜。ごめいわくおかけします」
「いや、かまわねえぜコネコちゃん」

 そして生倉センパイは、モエーモエー。

 モエーをインターネットでけんさくしたけど、わかりませんでした。
8月5日(木)

「ちひ、ちひ、モエーモエー」
「ちひ……へんなうたうたうんじゃねえ」
「へんですか? ちひ〜」

 だって生倉センパイがずーっとちひのこと「モエー」って言ってるんだもん。

 ちひはモエー?


生倉センパイ、昨日はどうでした?→→→→→→→→
8月4日(水)

「ちひ、あつくねえか?」
「ちひ〜…………あついです…………」
「そのかみ、ゆったほうがいいだろ。やってやるぜ」

 神乃木センパイが、ばてばてのちひのかみを、ふたつにゆわいてくれました。

「くびのうしろが、すずしい!」
「やっぱそれだな、あつくなくていいだろ」
 これはいいと思います! さすが神乃木センパイ!

「くううううううう〜〜〜〜〜〜〜っ!! つっつっつっつツインテールッ! や、や、やるな神乃木君!」
「…………なにをこうふんしてるんだかしらねえが、おちつけ。ぼんくらセンパイ」
「ぼんくらではない! なまくらだ! おのれ神乃木、きさまは何だ、私をどうするつもりだ!?」
「どうする気もねえよ、ぼんくらセンパイ」

 生倉センパイも、ちひのかみがた気に入ってくれました。


<生倉センパイの今日の収穫>
8月3日(火)

 神乃木センパイはいつも神乃木センパイのにおいがします。朝、スプレーをしゅってするからです。
「こうすい、きついかい?」
「きつくないです。いいにおいです。……ちひもやりたいなぁ」
「クッ……コネコには早いんじゃねえか?」

 それに神乃木センパイは、男の人用のこうすいしかもってないんだって。

 ちひもちひのにおいしたら、いいかなぁ。
8月2日(月)

 ちひはまだじょうずにカキコミとかできないので、こうかん日記をかくのもすごくじかんがかかります。おしごともして、パソコンもすると、一日がおわっちゃうの。

 パソコン早くできるようになりたい! タイピングと漢字のれんしゅうをしなきゃだめです。ちひ〜たいへん〜!
8月1日(日)

 おうちでも、インターネット。
「ちひはさいきん、いそがしいな」
「べんごしになるんですから!」
「そうか……ま、がんばりな」

 1人でコーヒーをのんでいるセンパイはちょっとさびしそうだったので、ちひはパソコンを少しにして、いっしょにおやつにしました。