12月のちひの日記

12月31日(金)

「さむい冬はおなべにかぎりますねえっ!」
「そうだなぁ。ちひ、なべ好きか?」
「ダイスキッ! ちひひっ!」

 みかんを食べながら、「こーはくうたがっせん」を見ました。
「ちひはこの人好きです! かっこいいと思う!」
「あー…………何だっけか。ギター侍……?」
「ぎたーざむらい!! なんてかっこいいっ!! ちひは今日からぎたーざむらいのファンです」
「そうか、がんばれよ」

 忍者ナンジャみたいでかっこいいと思う〜。

 もうすぐ神乃木センパイが、としこしソバをゆでてくれるそうです。
 今年1年、ありがとうございました。
 来年もよろしくおねがいします。ちひっv
12月30日(木) 記録者:生倉雪夫

 昨日は大雪が降って大変だったが、今日は幸い晴れてくれた。それにしても夏は汗臭く、冬は風呂に入らないで臭い。男どもというのは年中臭い。特に外周の列に並んでいる間は本当にたまらない。嫌になる。
 しかしこれが男の戦いだ。

 1日目は大手と企業ブースを回り、2日目は主に島を回った。2日目の外周は宇在君に任せてある。
 私はサングラスに帽子の出で立ちで、この二日間を乗り切ることができた。弁護士という職業柄、うかつにこういった場所で目撃されてしまうのは少々面倒なのだ。オタクであることを隠しながら生きることを潔しとは思わないが、しかし私は敢えてこう言おう。

 男には、逃げなければならないときもあるのだと。

 夜、ちひ君にメール。
『ちひ君へ
 昨日、いいものが手に入った。正月に君にプレゼントしたい。
 初詣に行く前に君のところへ寄りたいので、元旦は9時にそちらへ行く。神乃木にもそう伝えてくれ』
12月29日(水)

 今日はおおそうじでした。
 神乃木センパイは、台所をきれいにしたり、床をきれいにしたり、大きな体でぐるぐるうごいてました。
 ちひもパソコンのキーボードをきれいにしたり、マウスのボールをきれいにしたり、くるくるたいへんでした。

 夜にはくたくたで、センパイとラーメンを食べに行きました。みそラーメンっておいしい!
12月28日(火)

 しごとおさめ、です。
 どうにかかたづきました! ちひひっ、これで安心して「年こし」できますね。

「じゃ、はつもうでは元旦の10時に杉山神社で」
「……かってにきめんな、ぼんくらセンパイ」
「ちひ〜、はつもうで! はつもうで楽しみですっ! みんなでおみくじ引くのです!」

 あと、年こしそば楽しみ!
12月27日(月)

 べんごし、って漢字をおぼえたはずなのに、もう忘れてます。
 ちひ〜。おぼえた漢字をどんどん忘れてっちゃう!
12月25日(土)

 うう、アタマいたいのです……。
 ふつかよい、なのです。

 「てんてこまい」で「べろんべろん」のあとは「ふつかよい」です。
 こんしゅうはおぼえたことばがたくさん!

 うう、アタマいたいです……ちひ……。
12月24日(金)

 クリスマスなのです! おしごとはいそがしかったけど、星影センセイがおしごとのあと、おいしいおしょくじに連れてってくれました。神乃木センパイと、生倉センパイと、星影センセイと、みんなでいっしょ。

 とりと、ケーキと、シャンパンと!
 とりは、ターキーというのだそうです。ターキー。まるやきです。すごい!

 シャンパンのんで、テーブルでおどって、あとはおぼえてません……。こーゆーのを「べろんべろん」っていうんだって、あとで神乃木センパイにおしえてもらいました。ちひは「べろんべろん」だったみたい。ち、ちひ〜。
12月23日(木)

 おしごとはお休みの日だけど、センパイはおしごとが終わらないのでじむしょに来ました。ちひもいっしょです。

 だれもいないじむしょはなんだかしずかです。センパイとふたりっきりなのはマンションもいっしょなのに、じむしょでふたりっきりはちょっとちがうかんじ。

 ゆびわにぎゅっとしたら、
「どうした、コネコちゃん?」
 って笑われました。

 神乃木センパイ、す、すてき〜。こういうのがモエーモエー?
12月22日(水)

 「しわす」つづきです。

「おい、コネコちゃん、コーヒー2ついれてくれ」
「はいっ」
「ちひくん、すまないがしきゅうこの人物のめいしをさがしてくれ」
「はいはいっ」

 星影センセイに、ことばをおしえてもらいました。
 こーゆーのは「てんてこまい」です! ちひっ!
12月21日(火)

 こーゆーのを「しわす」というのだそうです。

 ちひにもおしごとがいっぱいあって、すっごくたいへんなのです!!
「クッ……コネコの手もかりたいぜ!」
「かします! コネコで、タマゴの、ちひの手をかすのです! ちひーっ!」
「わりぃな。じゃ、このしょるいの中から、この名前のあるところをさがすんだ」
「わかりました! コネコの手をしんじてください!」

 うーん、おしごとはたいへんー!
12月16日(木)

「おとながいってのは…………いい年したオトナが金の力にものをいわせて、こどものおもちゃをかいあさること、らしいぜ」
「ちひ〜? ナイスガイではないのですか」

 なーんだ。オトナガイはコドモっぽいのです。いぎあり! オトナガイはむじゅんしています!
12月15日(水)

 生倉センパイが「トノサマン一丁!」の、トレカというのをくれました。かっこいいトノサマンがたくさんカードになってるのです。
「ダブリでよければいくらでもあげるよ」
「ちひゃ〜! すごいですすてきですっ」
「コンプリートしようと思うとキリがなくてね。昨日もオトナガイしてしまったよ」

 オトナガイ! なんだかかっこいいかんじです。オトナでガイなのです。

 オトナガイは、ナイスガイににてる?
12月14日(火)

 いろいろ考えたけど、やっぱりあれをやることに決めました!
 生倉センパイがかしてくれたアニメのおわりのうたで、おどりもついてるからまねっこするだけでいいのです。……ちょっとずるい?

「生倉センパイ、おたんじょうびおめでとーございますー! ちひっ」
「クッ、またむだに年をかさねちまったな、センパイ」
「やあ、ちひくん。わざわざありがとう、ちひくん」
「…………クッ、シカトかよ」

 それで、ちひはアニメとおなじおうたをうたってあげました。生倉センパイはデジカメ2台でちひをとってくれました。生倉センパイ、すっごくよろこんでくれた!
「ちっちっちひくんんんっっ〜〜〜〜〜〜〜も、モエーーーーーーーーーーーッ!」
「モエーモエー、ちひっ」
「ああああっナマでっナマでちひくんのおどりがっ」
「そうよ〜、小さくても大きくてもいい〜の〜っ♪」
「あああああああっかわいいっちひくんかわいいっ!」

 生倉センパイ、大興奮でした。ちひっ。
12月12日(日)

 うーんうーん、どんなおうたがいいんでしょう?
 土日はパソコンはしないって決めてたけど、今日はずーっとインターネットでおうたをさがしていました。

 元気なのがいいなぁ。
12月11日(土)

「どんなおうたがいいんでしょうか神乃木センパイ!?」
「さあ……『ドレミのうた』でもうたってやったらいいんじゃねえか?」
「ドレミ…………? どんなおうたでしたっけ?」
「ドーは……ドーは……なんだ?」

「ドーはどーくろーの、どー? ちひーっこわいですーっ!!」
「……こええな、ちひ」

 なんのおうたをうたおうかなぁ?
12月9日(木)

「らいしゅうは私のたんじょうびだな」
 生倉センパイがぼそっと言ったのを、ちひはちゃんと聞いていました。
「ちひっ。生倉センパイのおたんじょうび! 何かプレゼントをするのです!」
「いやいや、気をつかわなくてもいいんだけどね」
「クッ、聞こえるように言ったくせに……な」
「神乃木、何か言ったか?」
「いや、それで何がほしいんだい? ケーキでもねだるつもりか?」

 生倉センパイはうーん、とかんがえて、はたっと手をうちました。
「そうだな、ちひくんにうたをうたってもらいたいな」
「おうたのプレゼントですね! 生倉センパイ、すてきです!」
「ついでにダンスもついているとなおいいね」
「おうたとおどり! ちひ、がんばってれんしゅうします〜! ちひっ!!」

 ようし、ハッピバースデーのおうたとおどり! がんばるのですっ。

「おいおい…………」
 神乃木センパイ、今日のコーヒーは苦かったのかな? へんなかおしてました。
12月7日(火)

 おしごとが早くおわったので、神乃木センパイとお買い物に行きました。
「ついでだ、アレを見に行くかい?」
「あれ?」
「やくそくしてただろう? アレを買ってやるぜ」

 それは!

 クリスマスツリー!

 おっきいのじゃないのです。すごく小さくて、ええと、ちひと同じくらいのおっきさなのです。テーブルにのるくらい小さいのです。だから、ちひがかざりつけとかするの!
「ちひー! かざりつけひとりじめですっ!」
「クッ、がんばれよコネコちゃん。かざりをつけたら、金のモールもわたもあるんだぜ?」
「ちひー! けっこうたいへんかも!」

 たいへんだけど、たのしい!! てっぺんのほうだけは神乃木センパイにもかざりをやってもらいました。ちひのクリスマスツリー、とってもきれいなのですvv
12月5日(日)

 今日おぼえた漢字。

 漢字、という字。
 星影法律事務所。
 弁護士。
 珈琲、っていう漢字もあったのです。びっくり!

「か、かーひー?」
「これでコーヒーとよむんだぜ」
「ちひ〜……むずかしいです」
「ま、ここまでおぼえるひつようは、ねえと思うがな……クッ」

 弁護士になるにはまだまだべんきょうがひつようです! ちひっ!
12月4日(土)

 かんじをおぼえたいので、がんばってべんきょうちゅう!
 パソコンはすぐにかんじが出てきてしまうので、ダメダメです。よんだり、かけたり、しないとダメなのです。

 ノートにいっぱい、かんじをれんしゅうします。
12月2日(木)

「生倉センパイ、なにしてるんですか?」
「ちひ君にあみぐるみをあんであげようと思ってね」
「ちひ! 生倉センパイはあみものができるのですか!?」
「できるというほどではないが、少しだけ」

 そう言いながら、生倉センパイの手の中で黄色い丸いのがどんどんできていくのです。ちひは楽しくてずっと見ちゃいました。

「ほら、ひよこだよ。この中にわたをつめたらかんせいだ」
「ちひー! すごいすごい! ちひと同じくらいの大きさのひよこさんです! …………ちひ?」

 もしかして、もしかしたら……?
 わたのはいってない黄色いひよこさんの、あたまをかぶってみました。すっぽり!!

「生倉センパイ! これ、ちひが着れるです! コネコでタマゴのちひは、ひよこにもなれるのです」
「………………う、くっ…………萌えぇ〜〜〜〜〜っ!」

 とおくで神乃木センパイが「キモい」とつぶやいてました。
12月1日(水)

 クリスマスツリー、というのを町で見ました。きらきらしてて、おっきくて、すごくいい!

「ちひ〜、すごいですすごいですっ」
「ああいうのがスキかい? 買ってやろうか?」
「ちひゃっ! あんなおっきいのはマンションに入らないのです! い、いいです。いらないです」
「さすがにあそこまででっかいのはムリだが……小さいのくらいなら、な」
「小さいのがあるのですか!?」

 そ、そりはほしいです……!