嫌な予感がしていた。

 フォースが、アナキンの危機を告げていた。





「戻らなければ……」



 オビ=ワンは、すぐさまウータパウを後にする。



一路、コルサントのアナキンの元へ。


















分岐点

〜EP3 HAPPY END ver〜
















 薄暗い部屋の中、アナキンは一人で椅子に腰掛けていた。ジェダイカウンシルの広間には、大きさも形も様々な十二個の椅子が円形に並べられている。が、今はただアナキンだけがその部屋に影を落としていた。

(議長が…………シスだった)

 あまりにも大きすぎる衝撃だ。身近に悪の根源が存在していたというショックも、信頼していた相手に裏切られたという痛みも、もちろんある。
 けれどそういった苦痛を味わっていられるほど、アナキンは感傷的になる余裕はなかった。

 アナキンは今、ひどく混乱していた。
 シスは悪い人間だと無条件に思いこんでいた。それがジェダイの教えでもあったし、自分でもそう解釈して何の疑問もなかった。
(でも、議長は悪人じゃない)
 パルパティーンという人格は、アナキンが想像していたどんなシスの姿とも重ならなかった。
 賢いまま、穏やかなまま、何も変わらないままのパルパティーンが、シスを名乗っただけだった。

「変わったのは……変えられたのは、僕だ」
 苦痛をため息に変えて、深く胸の奥から吐き出す。
 パルパティーンは何も変わっていない。平和を愛し、銀河を腐敗と混乱から立ち直らせようと努力し、アナキンの苦悩に優しく手を差し伸べてくれる。
 ただ、彼を見る自分の目が、変わった。

 もしも彼が以前と変わらず、アナキンの心痛を憂えてくれているのだとしたら、自分はとんでもなく失礼で愚かな男だ。ただ彼がシスであるというだけで、十年に及ぶこの友情を一方的に破棄しようとしている。
 シスであること、それがどんな意味を持つのかもアナキンには分からないというのに。
「議長…………パルパティーン議長……」
 パドメとのことを理解し、彼女を救う方法を教えてくれると言った。彼ならパドメを救えるのだろうか?

 けれど本当はアナキンに考えている余裕などなかった。
 こうしている間にもメイスたちジェダイがパルパティーンの元に近づいている。彼を捕えるために。あるいは、彼を殺すために……。
 決断しなければならない。
 動くか、留まるか。

 シスか、ジェダイか。

「………………………………」
 腰掛けている椅子がまるで熱した鉄板のようにじりじりとアナキンの神経を焼く。
 落ち着いて座っていることができなくなったアナキンは、いらだたしげに立ち上がった。
 カウンシルタワーにあるその部屋からは、遠くコルサントの地平線までもが見渡せる。人口の造形物だけが林立する無機質なその光景を、アナキンはじっと見つめた。

 いる。
 そこに、パドメがいる。

 遠く、どれも同じように見える高層建築の中に、一つだけ輝く建物が見える。いや、実際にはただの建物に過ぎないのだが、アナキンの目には確かにその光が見えていた。
(あそこに、パドメがいる)
 パドメもこちらを見ている。彼女の姿が見えるわけはないのに、あの暖かさが、まるで腕の中にいるように感じられた。不意に、腕の中の温もりが柔らかく溶け、アナキンの体の中に流れ込んでくる。

(…………優しい……)
 それは彼女の祈りだった。遠くからアナキンを想い、アナキンのために祈っているパドメの心が、フォースを通じて流れ込んできている。

 アナキン、辛いの?
 いつもあなたの幸せを祈っているの。
 愛してるわ。心から、あなただけを。
 いつもそばにいるわ、アナキン…………。

(パドメ……)
 無償の愛に満たされて、アナキンの顔に一瞬だけ穏やかな表情が戻った。

 が、次の瞬間。

「………………あああっ!」
 何かに射抜かれたように顔色が変わった。まるで心の隙を窺っていた暗殺者に、心臓を打ち抜かれたように。
(……死んでしまう……赤ん坊の泣き声……君の苦痛……激しい苦痛…………死が……)
 壊れたホロのようにしつこく繰り返すその幻覚を、もうアナキンは何度も見ている。それはすでに夜の悪夢の中から抜け出し、今では時と場所を選ばずにアナキンを惑わせるようになっていた。

「…………………………はっ」
 がくん、と体が震え、意識が現実に戻ってくる。幸福感は消えうせ、逆にそれを失うことへの恐怖に囚われる。足の多い虫が体をくねらせ、ぞろりぞろりと背筋を這い上がってくるような恐怖だ。
 パドメが死ぬ。
 考えただけで、全身が総毛立った。あの柔らかな愛しい存在が宇宙から消えうせるなんて、考えることさえできなかった。
「………………………………」
 窓辺に立ち、パドメの存在に神経を注ぐ。まだそこに彼女が在る、と思うだけで、アナキンの目から涙があふれた。生きていてくれることへの感謝と、生きていてほしいという痛切な願いが、アナキンの心を締め付けた。あの愛しさを、失うわけにはいかない。

 涙があふれて、頬を伝う。
 パドメを救う方法は、本当あるのだろうか?

「アナキン」
 突然、名前を呼ばれてアナキンは振り返った。
「え?」
 そこには、長めのローブをゆったりと身にまとった、ジェダイマスターの姿があった。
 撫で付けた金髪は、急いで来たせいか少し乱れている。柔らかな髭に覆われた唇が穏やかな笑みを形作っている。そして綺麗なブルーグリーンの瞳が、落ち着いた光を湛えてアナキンを見つめていた。

「アナキン、ここにいたのか」
「マスター…………オビ=ワン……!」
 遠くの星にいると思っていたその人が、目の前にいる。なぜウータパウにいるはずのオビ=ワンがそこにいるのか。にわかには信じがたかったが、たとえそれが幻でも、今のアナキンにはこれ以上望ましいことはなかった。

「シスの正体を突き止めたと聞いたぞ。お手柄だ……と、今のお前には簡単に言うことはできないな」
 オビ=ワンは喜びと悲しみの混ざった、独特の笑みを顔に浮かべていた。アナキンとパルパティーンが深い絆で結ばれた友人同士だったことは、オビ=ワンも良く知っている。

 けれど、その関係をオビ=ワンは快く思っていないはずだ。
「バカにしないんですか?」
「何を?」
「シスの暗黒卿を親友だと思ってきた僕のことをですよ」
 半ば自虐的に言って、視線を逸らす。

 オビ=ワンはため息を吐いて首を横に振った。
「お前は悪くない。友を信じることは、もっとも尊いことだと私は思うよ。彼が裏切った。それはとても悲しいことだけれど、お前のせいではない」
 アナキンは唇を噛んだ。「パルパティーンには気をつけろ」とまで言ったオビ=ワンが、そんな風に思っていてくれたというだけで、心が少し軽くなる。
 オビ=ワンに話せばうまくいく。なぜだかそんな気がした。

「オビ=ワン……」
 けれど言いかけた言葉はのどをふさいで出てこない。
(まただ……)
 いつだって、誰よりもオビ=ワンに相談したかった。パドメのことを告白したかった。祝福して、一緒に喜んでほしかった。彼女を失う苦しみを理解してほしかった。彼女を救う方法を、一緒に考えてほしかった。

「オビ=ワン……」
 けれど、オビ=ワンには言えない。いつだってそうだった。
 アナキンは、忍耐強く言葉の続きを待っているオビ=ワンの眼を見た。綺麗な青い瞳は、嘘も偽りもなく澄み切っている。その眼に見つめられると、まるで何か絶対的なものに手ひどく批判されているような気分にさせられるのだ。

「オビ=ワン……。僕は、あなたにたくさんのことを隠しているんです」
 そう告白するだけで精いっぱいだった。オビ=ワンは長いローブの袖を抱きこむように腕を組み、じとアナキンを見つめた。
「隠していること?」
「それを知ったら貴方は僕を否定する。だから、言えません」
 言いながら、アナキンの目に涙がにじんだ。自分では悪いことなどしているつもりはないのに、オビ=ワンの前に出るとそれらはすべて罪になるように思えてしまう。自分の大切なもの、感情、こだわり、哲学、考え、価値観……。それをオビ=ワンの目の前にさらけ出すのは勇気のいることだった。

「私はいったいどれだけ、元パダワンに欺かれているというのかな?」
 オビ=ワンは少しおどけたような口調でそう言った。決してシリアスではないオビ=ワンの態度に、アナキンの緊張がほぐれる。こんなことを言っても、受け止めるだけの余裕がオビ=ワンにはあるらしい。
(全部……話そうか。さらけ出してみようか)
 今はそうする必要があるのかもしれない。そのチャンスなのかもしれない。
 アナキンは顔を背けながら、独り言のようにつぶやいた。

「僕は、激しい怒りを秘めています。とても激しくて……抑え切れないくらいの」
「知っているよ。でもお前はその怒りゆえに勇敢で、強い。怒りを恐れていれば、いつか必ず調伏することができる」
 オビ=ワンの目は穏やかだった。アナキンはさらに続けた。

「スピードとスリルがないと生きられない」
「それも知ってるな。9才の頃から変わってない。もう諦めているから、せめて死なない程度にやってくれ」
「僕は誰よりも強いと思っています。昔から他のパダワンをバカにしていたし、今でもどんなジェダイにだって負けないと思う」
「フォースの強さと、操縦の腕についてはある程度賛成するよ。けれどそれを誰かと比べたり、優越感を抱いたり、自分が認められないと不満を感じた時点で、精神的には負けているのだと思え。誰のことをも気にしなくなったとき、お前は本当に最強の存在になれるのだから」

 オビ=ワンはすらすらと答えた。まるで、いつも考えていることをただ口にしているだけのようだ。
(いつも……そんなふうに考えていたの?)
 優しいけれど、心のどこかにジェダイの頑なな正義感を貫いている人だと思っていた。だからオビ=ワンはアナキンを肯定してはくれないだろうと、漠然と思い込んでいた。
(いつも、僕を認めてくれていたの?)
 アナキンは顔を上げてオビ=ワンを見た。まるで初めて見る人のような気がした。
 アナキンはさらに言葉を続ける。

「僕はジェダイを信用していない」
「ああ、私のマスターもそうだったぞ。だからいつも評議会とやりあって、出世できなかったんだ。それでも……彼は誰よりも立派なジェダイマスターだった」
 遠い目をしたオビ=ワンの視線の先には、あの長身の影が見えているのだろう。砂漠の惑星から連れ出してくれた大きな手のことを、アナキンもはっきりと覚えている。
 そうだ、オビ=ワンは彼のマスターをとても愛していた。あんなに破天荒で無法者(あの頃はそうは思わなかったが、後から考えるとクワイ=ガンというのはそういう規格外のジェダイだったのだとアナキンにも分かった)な男を、この品行方正なオビ=ワンが愛していたのだ。
 オビ=ワンは、決してお行儀がいいだけのジェダイではなかったのかもしれない。

(僕は何か、勘違いをしていたのかな……)
 オビ=ワンをジェダイの象徴とも、ジェダイの権化とも思っていた。規律を愛し、不正を嫌う清廉潔白な人だと思っていた。けれどそれはアナキンの激しい思い込みによるところもあったのかもしれない。
 本当のオビ=ワンは、もっと優しく、もっと広い懐で、ずっとアナキンを育て続けていた。

 アナキンは流れそうになる涙を堪えて、覚悟を決めた。
「僕、パドメと結婚しているんです」
 この世の終わりを告げるかもしれないその言葉を、アナキンは思いを込めて放った。
 けれどオビ=ワンは顔色一つ変えずに、あっさりと答える。
「知っているよ」

 しん、と辺りが静まり返る。信じられないものを見るように、アナキンは呆然とオビ=ワンを見つめた。震える頬に、零れた涙が一筋流れ落ちる。
「………………………………」
「結婚はもうずいぶん長いんだろう?」
「…………………………はい」
「知っていたよ。お前はうかつだし、すぐにぼろが出るからな。我がパダワンが結婚しているなんてことを知られたら私だって困る。お前のフォローにはずいぶん気を使ったよ」
「オビ=ワン…………」
 思い当たることはいくらでもあった。ついパドメのことを口に出しそうになったとき、オビ=ワンはいつもさりげなくごまかすようなことを言ってフォローしてくれた。いつもそんなオビ=ワンの話術に救われては、「こんなときに運がいいな」と思ってたものだ。けれど良く考えればそんなラッキーがあるわけがない。

 オビ=ワンはちゃんと知っていたのだ。
 そして非難するどころか、陰ながら支えてくれさえしていたのだ。
「オビ=ワン…………」
 もう涙が止まらない。ぼろぼろと涙をこぼしながら、アナキンは自分をぶちまけた。

「どうして…………僕を問い詰めなかったんですか……?」
「それでお前が本当に幸せになれるのなら、嬉しいことだと思っているよ」
「だって……恥ずかしくないんですか? がっかりしないんですか? 僕がジェダイを追放されたら……」
「結婚しているジェダイだって他にはいくらでもいるよ。正しい方法としかるべき覚悟さえあれば、全面的に批判されることじゃない。ただ……パダワンのお前にはまだ早い話だとは思ったがな」
 オビ=ワンは明るく笑った。なぜかもどかしさを感じて、アナキンはまくしたてる。

「それにパドメには子供がいるんだ。もうすぐ産まれるんだよ。それが知られたら僕は……」
「家族を守るために戦う。これ以上強く、これ以上理想的なことはないだろうな。うらやましいよ」
「うらやましい…………」
 嘘でもそんなことを言うオビ=ワンは想像できない。ましてや目の前で本人がそんなことを言ってのけるなど、信じようにも信じられなかった。

 オビ=ワンは優しく微笑んで、嬉しそうに言った。
「パドメを妻にし、子供を授かって、お前は家族を持つ。……それでお前が120%の力を出せるなら、銀河にとっても共和国にとってもこんなに都合のいい話はないんじゃないか? あとは評議会が何と言うか……だが、私はお前を弁護するよ」
「マスター」
「ひょっとしたらお前は追放されるかもしれない。そうなったら、銀河と共和国に甚大な損失を与えた評議会を鼻で笑ってやるよ」
 まるでアウトローの表情で、オビ=ワンはからからと笑った。

「マスター…………」
 アナキンは泣きながらオビ=ワンの胸に飛び込んだ。ローブにしがみつき、まるで9才の子供のように泣きじゃくる。
「ああ、こんなに私を信用してくれるんだな。ありがとう、アニー」
 頭を優しく撫でながら、オビ=ワンは穏やかに言う。
(それは僕のセリフです…………ああもう……)
 言い返したいけれど、泣き声ばかりがのどを震わせて言葉にならない。

 ひたすら泣いて。
 オビ=ワンが自分のマスターでいてくれたことに感謝して。
 ようやくアナキンは顔を上げた。
「マスター……相談に乗ってください」
「何だ?」
 穏やかなオビ=ワンの声は、何よりも頼もしい。アナキンは安心して、身も心もマスターに預けた。

「パドメの夢を見るんです。パドメが死んでしまう夢を…………母のときと同じような夢を」
 それを聞いたオビ=ワンの腕に、微かに力が入る。何を言っても驚かなかったオビ=ワンが、初めて動揺しているらしかった。
「夢か……。夢は必ず現実になるわけではない」
「マスター・ヨーダにもそう言われました」
「けれどお前の夢は特別だ。お母さんのときのこともある。無視するわけにはいかない。後悔もしたくない」
「後悔……」
「私は、お母さんのときになにもしてやれなかった。でもパドメはまだ生きている。まだ間に合うかもしれない」
 オビ=ワンの腕に、さらに力がこもった。
(本気で考えてくれている……)
 その腕に抱かれながら、アナキンはゆっくりと自分の感情を味わった。
 オビ=ワンがそばにいて、助けてくれると言う喜びを。

「アナキン、パドメの夢に感じることは?」
「苦痛……泣き声……闇と絶望……」
 思いつくままに夢の断片を言葉にする。オビ=ワンはじっとその意味を考えた。
「幸福ではないパドメ……お前がそばにいないのだろうか……? 戦争か、違う争いか、とにかく不幸が彼女を襲うということだろうか」
「僕がそばにいたら、助けてあげられるのかな?」
「私にはそんな気がしてならないよ。お前がいるのに、パドメが絶望を感じる必要があるか?」

 確かに、夢の中のパドメはひどく悲しんでいた。魂を奪われてしまったかのように、少しずつ気力を失っていく。それはアナキンがそばにいないからなのだろうか?
「マスター、僕はどうして彼女を助けないんです?」
「これはひとつの推測に過ぎないが」
 オビ=ワンは厳しい顔つきになる。

「パドメはパルパティーンが起こしたこの戦争……シスの戦いの犠牲になろうとしている。シスの正体が分かった今、できるだけ早く戦争を終わらせて、平和な世の中を作ることが何よりも正当な方法なんじゃないだろうか。ただ……」
「ただ?」
「お前はそのとき、この世にはいないのかも知れない」
「……………………………………」
 たとえ世界が平和になっても、アナキンを失ったパドメが生きて生けるのかどうか。それはアナキンには分からない。ただ、夢の中のパドメの悲痛な叫びが、そういう意味を持っている可能性はあった。

「僕は死ぬの?」
「分からない。それが心配ならお前は今すぐ、パドメの元へ行きなさい」
 オビ=ワンはきっぱりとそう言った。
 腕の中でぐったりしていたアナキンを立たせ、肩をたたく。
「オビ=ワン?」
 アナキンがはっと夢から覚めたような眩暈を感じた。見上げると、オビ=ワンはもう戦士の顔をしている。

「時間がないんだ。私はシスを倒しにいく。戦争を終わらせるんだ。……お前は行って、パドメを守れ」
「でも、僕だってジェダイです。ひとりで戦争から逃げるわけにはいかない」
「死ぬかもしれないんだぞ? そうなったらパドメが悲しむ。お前の夢が現実になるかもしれない」
「……………………」
 アナキンの顔が歪む。夢の苦痛と、心の憤りが激しくぶつかり合った。

 そして。

「ええ、気にしません」
 アナキンはニヤリ、と笑った。
「僕がシスなんかに殺されるわけがない。だって僕は…………選ばれし者だから」
「アナキン…………」
「僕らで世界を平和にしましょう。そうして安全な世界で、パドメに僕の子供を産んでもらうんだ。ねえ、オビ=ワン」

 アナキンは真っ直ぐ立ち、小しのライトセーバーを軽く叩いてみせる。
「マスター・ウィンドゥたちが先に行っています。僕らも加勢しましょう」
「ああ、そうしよう」
 オビ=ワンは力強く微笑み、アナキンに向かってこう言った。

「お前なら、必ずやれるさ」








<<TO HAPPY END>>





EP3ハッピーエンドバージョン、分岐点は「もしもオビ=ワンがウータパウから帰っていたら」です。評議会室でひとりぼっちのアナキンは何度見ても泣けるので、本当にオビ=ワンにそばにいてあげてほしくて……。断崖絶壁でひとりぼっちなアナキンのそばにマスターがいてくれさえしたら、アナキンだってとどまれたかもしれないと思いませんか? ノベライズで本当にオビ=ワンはアナキンのことを愛していて、なんでこんなに愛されてるのに気付かないのかなぁあのバカは!と憤りました。ああダイスキだアナキン。オビ=ワンも。

ちなみにこのSSは、「Unchain the Fate」のハッピーエンドバージョンの導入部・没シナリオです。上のシーンの別バージョンを本編では使いました。『感情に訴えて落とす』か、『理屈で落とす』か考えて、結局納得のいく理屈のほうを採用しました。こっちはこっちで気に入ってます。「オビ=ワンは本当にアナキンのことを愛してるんだぞコノヤロー!」ということをあのバカに涙が出るほど分からせてやることができたので良しとします。