生倉の初夢







      こんな夢を見た。


「ちひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 鋭い悲鳴が耳に突き刺さる。
 あれは間違いなくちひ君の声だ。


 私は慌てて駆け出した。
(おのれ、神乃木! ちひ君になんて事を!!!)
 きっと神乃木がちひ君をいじめているに違いない。私はそう確信していた。


 駆けつけた時にはもう遅かった。


「クッ、観念しなコネコちゃんよぉ」
「ち、ちひっ。やめてくださいかみのぎせんぱい!」
「クックック、そうは問屋が卸さねえぜ」

 神乃木はあろうことか、小さなかよわいちひ君の服をいともたやすく剥ぎ取っている。
 ジャケットが奪われ、スカートを捲り上げられて、ちひ君のピンクの下着が見えてしまっていた。


(か、神乃木め……!)
 私は怒りを胸に燃やしながら、次のコマンドを考えた。



1、ちひ君を助ける
2、様子を見る


「うーむ」

 ここは、悩みどころだ。
 助けるを選択すればトゥルーエンドにたどり着けそうな雰囲気だが、
ここは様子を見てCGをフルコンプするのが手かもしれない。
 早く18禁シーンのCGを集めて、鑑賞モードでゆっくり眺めていたい。
 それにちひ君の「18歳未満立ち入り禁止」なレアCG!
 それを見てみたい欲望に駆られるのは、萌えを追求する者として当然だろう。うん。


 しかし、ちひ君とのトゥルーエンドは血涙が出るほど見たい。
 しかし、ちひ君のエチーなシーンも見たい。胸がパチパチするほど騒ぐ。
 しかし、よりによって攻めキャラが神乃木というのは気に入らない。


 私はどうするべきか、本気で迷っていた。