御剣の初夢







   こんな夢を見た。


「父さん」
 僕は夏休みの自由研究に、庭の生物の観察記録を作った。それを父さんに見せると、
「よくできているじゃないか」
 父さんは僕の頭をなでて、誉めてくれた。


「虫とか、花とか、たくさんあって面白かったよ」
 普段外へ出るのを好かない僕は、虫とかがあんまり得意じゃなかった。
だから、あえて苦手を克服しようと思ったんだ。


「そうか、いいことだな」
 父さんが笑った。父さんはいつも笑っている。それが僕は好きだ。


 そういえば昔、幼稚園のころ。
『みんなの家族の絵を描いてください』
 そう言われて、僕は父の絵を描いた。
 僕はあんまり絵がうまくないのでとても自信がなかったのだけれど、


父さんはその絵をとても誉めてくれた。
『いつもこんなに笑っているんだね、お父さんは』
 父さんはそう言って、喜んでくれた。
 僕が描いた絵は、画面いっぱいに笑っている父さんの絵だった。


 父さんはいつでも笑っている。
 だから僕は、父さんが好きだ。



 僕は父さんが大好きだ。