!CAUTION! ここは“萌えないゴミ”捨て場です |
| ココから先は、気色の悪いものが置いてあります。キモイ神乃木と可哀想な生倉がいます。ありえません。 おとなしく引き返すことをオススメします。エロ描写こそありませんが、かなりキモイです。ガクガクブルブル。 <入ってはいけない人> ・心臓の弱い方 ・ギャグをギャグと見抜けない方 ・かっこいい神乃木センパイ大好きっ子さん ・神乃木と生倉のCGに普通に萌えた方 特に奇特な趣味をお持ちの方のみ、自己責任で下へお進みください。 警告………………しましたからね? ククッ…………。 |
その男、後輩につき |
私は、神乃木荘龍が大嫌いだ。 生意気、という言葉は奴のために存在すると言っても過言ではない。 とにかく、外見からして気に入らない。何だあのチャラチャラした格好は。弁護士は高度に知的な職業であって、ホストではないのだ。 それなのに神乃木ときたらどうだ。 ピアスに指輪、真っ赤なシャツなど気障の象徴もいいところだ。それに、奴がシャツの下にネックレスもつけていることも、私は知っている。どうせ誰も見るわけはないのに、黒い気障なネクタイを解くと小さな銀の十字架が架かっている。 いやいや、別に細かくチェックを入れているわけではない。たまたま、暑い日に奴がシャツの胸元をはだけたのを見ただけだ。それも、ちらっと、ほんの少し見えただけだ。別に気をつけて見ていたわけではない。 ……別にそんなことはどうでもいい。 とにかく、奴はそんな弁護士のイメージを損なうような格好をして、しかも私より背が高いのだ。まあ、高いと言っても15センチも違わないわけだが。 正確に、何センチだと? 細かいことは気にするな。とにかく、15センチは差がない。それほどの差はないということだ。うむ。 しかし15センチほどの差がないとは言え、やはり高いところから見下されるのは非常に不愉快になる。おまけに奴は、顎をしゃくってさらに上から見下ろすようにする癖がある。あれは他人の反発を買う恐れがあるので、止めたほうがいいと私は思うがね。 さらに、奴はこの事務所のナンバーワンを名乗っている。何を基準にナンバーワンだのナンバーツーだのとランキングしているかは知らないが、事務所はホストクラブではないのだ。そんな順位には何の意味もない。 客の指名に奴の名がよく上がるとか、稼ぎが一番いいとか、奴が弁護するとたいてい無罪だとか、そんなことで弁護士の価値を計られてはたまったものではないよ。弁護士の価値は知識、教養、経験だ。 しかも、しかもだ。 あの派手でミーハーでホスト系な外見と、胡散臭いタラシ口調に、我が事務所の女性職員(見習い)がたぶらかされているのだ! チヒロ君という、まだ年若い女性だが実に才能があり、将来有望な若者だ。私もたいそう目をかけてやっているのだが、しかし悲しいかな、若いがゆえに経験というものが不足している。神乃木のやり口にすっかり騙されているのが、はたから見ていてよく分かってしまう。 私くらいになると、そういうことも目に付いてしまうのだ。 気障な言葉でチヒロ君をだまくらかし、私が忠告しようとすれば「チヒロに近づくな」とばかりにガードされる。チヒロ君も私の言うことにはなかなか耳を貸そうとはしてくれない。 若さというのは、悲しいものだな。 とにかく、そういう輩だということが分かっていただけただろうか。 人を外見や成績で判断するのは、よくない。物事の本質を見なければ、正しい判断とはいえないわけだ。そして、私は客観的にこう判断する。 私は神乃木荘龍が、大嫌いだ。 「お、センパイだけかい」 階下の喫茶店から取り寄せたコーヒーとサンドイッチで昼食を済ませ、静かな休憩時間を満喫していると、暑苦しいのが入ってきた。 今日は星影先生がチヒロ君を連れて、外出している。その他の弁護士も何だかんだと仕事に飛び回っていて、私が一人で事務所の留守居役、というわけだ。 そこへ、神乃木が帰ってきた。 私は思わず顔をしかめて、不快な表情を隠すことなく奴を睨んでやる。……オトナげないといわれるかもしれないが、ここまでしたって奴は微塵も痛痒を感じないのだから、構わないだろう。 「……もう終わったのかね」 「ああ、おかげさんでな。おっと、お残しはよくないぜ、センパイ」 奴は私が残したサンドイッチの欠片をつまみ上げると、許可も取らずに一口に食べてしまった。不躾な奴だ。 私は眉間にしわを寄せ、開いていた法律書に目を落とした。あまり係わり合いになりたくない。ちらりと腕時計を見るが、まだこの時間では誰も戻っては来ないだろう。しばらく、私はこの男と2人っきりで事務所にいなければならないわけだ。 ……考えただけでうんざりする。 神乃木は自分の昼食用に買ってきたらしい有名店のベーグルサンドを広げ、自前のコーヒーでそれをほおばり始めた。食べ方にも、どことなく品がない。がつがつした感じがある。見ていて非常に不愉快だ。 いっそ神乃木に留守を任せてどこかへ行ってしまったほうがいいかとも思ったが、いつもなら忙しい私が、今日はたまたま、実に珍しく、何の仕事も用事もない。ふらふらと外へ出ても何もすることがない。 それに、何の用事もないのに事務所を放っておくのは責任と分別ある大人のすることではない。 ベーグルをぺろりと平らげ、コーヒーを飲み干して、神乃木は口元を拭った。それきり、じっと私のほうを注視している。 「…………暇そうだな、アンタ」 「暇ではないが」 いちいち癇に障る男だ。私が暇だろうが何だろうが、貴様には関係ないだろうと思う。もちろん、いちいちそんな風に言い返すようなオトナげないことはしない。 「なあ」 「………………………………」 「センセイは?」 「…………チヒロ君と出かけたよ」 「他の奴らは?」 「………………それぞれ出かけている。夕方までは戻らないそうだ」 「ふぅん…………」 「…………………………」 「…………………………」 「…………………………」 奴は居心地が悪そうにため息を吐き、ベーグルの包み紙を丸めてゴミ箱に投げた。小気味の良い音がして、ゴミはゴミ箱へ落ちる。本当に行儀の悪い男だな。 極力係わり合いになりたくない私は、奴を無視して読書に集中することにした。 「…………………………」 「…………………………」 「…………なあ、センパイ」 「…………………………」 「…………なあ、生倉センパイ」 「うるさい」 さっさと事務室なりなんなり、行ってしまえばいいのにと思いながら顔を上げると、いつの間にか神乃木は私の真後ろに立っていた。 ぎょっとして振り返ると、神乃木がいつになく真面目な顔で私を見下ろしている。 「…………………………」 「…………………………」 沈黙が重い。 まじまじと見上げる奴の顔は、こうして見るとやはり整っている部類に入るのだろう。チヒロ君のような若い女性が惑わされてしまうのも、仕方のないことかもしれない。 神乃木はじっと私を見下ろし、目を細めた。なぜ、私が睨まれなければならないんだ? 「センパイよ」 「…………何だ、失敬な」 「オレ、知ってるんだぜ…………アンタのこと」 「なにを、かね…………?」 「アンタの秘密、さ」 「!?」 唐突にそんなことを言われて、驚かない人間がいるだろうか。 正直に生きているつもりだが、清廉潔白な私にだって、それは後ろ暗いことのひとつやふたつはある。人間ならば、当たり前のことだろう。 だから私がここでたいそう動揺してしまったことも、仕方のないことだと納得していただきたい。 奴は意味ありげにクッと笑い、上から覆いかぶさるように私の顔を覗き込んだ。 「毎日ツラつき合わせてりゃ、嫌でも分かるぜ」 「…………何のことだ」 「アンタの目、たまにコネコちゃんを狙うハンターになってるぜ。自分で気付いてるかい?」 目を覗き込まれ、私は思わず顔を背けてしまった。 コネコ……ハンター…………。奴の言いたいことはすぐに分かった。 チヒロ君のことだ。私が心配したり目をかけたり手を貸してやろうと思ったり、いつもチヒロ君のことを目で追っているのを、奴はそう判断したのだろう。何とも馬鹿馬鹿しい、邪推もいいところだ。 「しかし、私はそんなつもりでは……」 「おっと、言い訳は見苦しいぜ。素直に言っちゃいな、聞いてやるぜ?」 「邪推はやめてもらおうか。私はそんなつもりではない」 きっぱりとはねつけるように言ってやったつもりだったが、奴はおかしそうにクッと嘲笑する。 「見苦しい、と言ったじゃねえか。オレには分かってるんだ。言っちゃいな」 「本当に不躾な男だな、君は。私の目の前から失せたまえ」 「そうはいかねえ。アンタとのことをはっきりさせるチャンスなんだ」 事務所に誰もいないこの時を、奴は今まで狙っていたというのだろうか。 私は不快を最大限に表した顔で、奴を睨み上げてやった。 「はっきりさせることなど、何もない」 「いいや、今日こそはっきりさせようじゃねえか、センパイ」 そして奴は、ニヤリと笑った。 「アンタ、オレを狙ってるんだろう?」 「…………………………………………」 人間、許容値の限界を超えるショックがあると、息もできなくなるらしい。 あまりの息苦しさにはっと我に返ると、私は大きく深呼吸をした。 「神乃木…………貴様は…………」 「そうだろう?」 自信満々な神乃木に、私はどうすればよかったのだろうか。 笑えばいいのか。 怒ればいいのか。 バカにするべきか、聞かなかったことにするか、もう一度その言葉の意図するところを問いただすべきなのか。 私はただ、呆然と奴の気障ったらしい顔を見上げることしかできなかった。 神乃木はクッと笑い、微かに視線を逸らした。 …………その顔が、ものすごく気持ち悪い。 「アンタがいつでも熱い視線でオレを見てたこと、気付いてたぜ」 「いや、それは……」 確かにいつでも熱い目で見ていたかもしれない。憎しみとか、怒りとか、なんかそういう類の。 「いや、それは、その……」 「オレの気を引こうとして、巨乳のコネコちゃんにちょっかいだそうとするなんざ、古い手だぜ。……センパイ?」 「違…………ッ!」 確かにチヒロ君のことはいつでも見ていたが、それはセンパイとしてのいろいろがナニであって。 錯乱する私に流し目を送って、神乃木は心なしか頬を赤らめる。 …………ほんっきで、気色悪い。 「オレもオトコだ。いつまでもアンタのアツい思いを無視することなんて……できねぇぜ」 「いや、だから……」 言葉の限りを尽くして否定しまくりたい気持ちとは裏腹に、私の豊富なボキャブラリーはこんなときに限ってこれっぽっちも役に立たない。口をぱくぱくさせたまま、私は二の句が継げずにいた。 そんな私の目の前で、奴は自分の首元に手を掛け、黒いネクタイの結び目を緩めた。ウィンザー・ノットに締めた結び目が器用に解かれ、見る間にシャツのボタンがひとつずつ外れていく。 赤いシャツの間から焦げたような茶色い体がのぞき、いつか見たシルバーのネックレスが白く揺れた。 その小さな十字架に、この世に神はいないのだと知らされる。 「神乃木! こんなことは今すぐ止めろ!」 「クッ……素直じゃないコネコちゃん、嫌いじゃないぜ」 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!????」 気色悪い。気持ち悪い。悪寒がする。ぞっとする。 ええと、若者風に言うなら、「ちょーキモい!」。 全身の毛という毛を逆立てて硬直する私に、奴は思いっきりのしかかってきた。 あ、暑苦しい……っっっ!!!! 「クッ……こうなることは最初から分かっていたんだ……そう、この事務所に入ってきたときから、な」 「な、なにを…………」 「センパイの言うことには逆らえねぇ。覚悟はできてるぜ」 眩暈がする。 いっそこのまま気絶してしまえれば、どんなに楽だろう。 もう、何でもいいから、ここから逃げ出したい。 「オレにはチヒロというかわいいコネコちゃんがいるんだが…………。センパイの命令なら、アイツも許してくれるだろうさ」 「いや、だから神乃木……」 「荘龍、でいいぜ。…………優しくしてくれよ、センパイ? 初めてなんだ」 「は………………」 「クッ……オレの処女、アンタにあげちゃうぜ」 いや、もういいから。 胸をはだけ、ズボンのベルトに手を掛ける神乃木を見上げながら、私はぼんやりと遠く銀河系の彼方を見つめていた。 こういうのを、若者は何と言うんだっただろうか。 ああ、そうだ。思い出した。 …………「ありえない」 その後、若い神乃木荘龍と生倉雪夫がどうなったか、知る者はいない。 <最悪> |
| いやいやいや! うちの神乃木センパイはこんなじゃないですから! ギャグです、ギャグ。 でも忍城さんとはしょっちゅうこんな話をして身悶えしてます。忍城さんはキモいキャラを作るのがすごく得意なので(笑)、私をしょっちゅう身悶えさせてくれます。勘違い襲い受け神乃木。何だかもう……バカだ……。神乃木センパイ、大好き!!!! ちなみに近年これほど楽しく書けたSSもありません(笑)。前ジャンルのSSとか、某大手さんの本とか、決め台詞をお借りしてますがまあ気にしないでください。あー楽しかった!! 生倉センパイ、大好きっvvvv |
| By明日狩り 2004/9/20 |