たからもの  byヤミ


【4がつ1にち はれ】

ぼくのおうちのとなりに おんなのこが ひっこしてきた。
あさ とらっくと おおきなくるまがきて おおきなくるまから おにんぎょうをもったおんなのこが おりてきた。
ぼくがおへやのまどからみていたら おんなのこがぼくにきづいて てをふってくれた。ぼくはびっくりして おへやのおくに かくれた。


【4がつ2にち はれ】

マンマといっしょにおやつをたべていたら おんなのこと おんなのこのパーパと おんなのこのマンマが おうちにきた。これからよろしくおねがいしますっていって きれいは はこを くれた。
おんなのこはわらっていたけど ぼくははずかしくて ずっとマンマのうしろに かくれていた。かくれながら おんなのこのもっているおにんぎょうを みていた。マンマは たくさん おしゃべりをしていた。マンマが おんなのことぼくのことを おないどしだねっていったら おんなのこは わたしのほうがおたんじょうびがはやいから おねえさんよ っていった。
おんなのこと おんなのこのマンマと おんなのこのパーパがかえってから もらったはこをあけたら ちいさくてきれいな ちょこらーたが はいっていた。おいしそうだったけど おやつをたべたばかりだから あしたにしなさいって マンマにいわれた。


【4がつ3にち くもり】

おやつのじかんに おんなのこからもらったちょこらーたを みっつ たべた。
まるくてちゃいろいのをかじったら なかからしろいくりーむが でてきた。みっつとも あまくておいしかった。


【4がつ5にち はれ】

おにわであそんでいたら おんなのこが きた。なにしてるのってきいたから たからものをならべて あそんでるって こたえた。たからものってどれってきいたから これだよって きれいないしをみせたら こんなのがたからものってへん っていって おんなのこのおうちに はしっていった。
ぼくは きれいないしがすきだから マンマといったこうえんとか パーパといったうみで がんばってさがして きれいないしをあつめているのに へん なのかな。


【4がつ6にち はれ】

おんなのこが おうちにきた。ぼくのたからものは へんだから わたしのたからものを かしてあげるって いった。わたしはおねえさんだから やさしいのって いった。
おんなのこのたからものは おにんぎょうだった。
はんかちを おふとんにして おにんぎょうをねんねさせたり おにわにさいている おはなを おにんぎょうのかみに つけたりして あそんだ。
マンマが とるたをやいてくれたから おんなのこと おにんぎょうと ぼくと マンマで いっしょにたべた。


【4がつ8にち あめ】

あめがふっているから おうちで たからもののいしをならべて あそんだ。きのうも あめが ふっていたから おうちで あそんだ。


【4がつ10にち あめ】

ずっとあめがふっているから おうちで あそぶ。えほんを よんだり マンマといっしょに おりょうりをした。
おへやのまどから おそとをみたけど おんなのこはいなかった。おんなのこも たからもののおにんぎょうであそんだり えほんをよんだり しているのかな。


【4がつ11にち はれ】

あめがやんだから おにわに いった。じめんがぬれていて きらきらひかっていた。すごくきれいだったから じっとみていたら おんなのこがきた。また なにしてるのって きいたから じめんをみてるって こたえた。なんでっていうから きらきらしてるからって こたえたら おんなのこもいっしょに じめんをみて きれいだねって いった。


【4がつ15にち はれ】

マンマといっしょに めるかーとにいった。とりっぱにつかう とまとを マンマがえらんでいると おんなのこと おんなのこのマンマが やってきた。マンマたちが こんにちはと あいさつを した。おんなのこは きょうも おにんぎょうを もっていた。ぼくも ゆうきをだして こんにちはって いった。ちょっとがんばりすぎて おおきなこえになっちゃったけど おんなのこも わらって こんにちはって いった。


【4がつ21にち はれ】

おんなのこがぼくのおうちにきて ぐらにーたをつくるから おうちにおいでって いった。おんなのこと おんなのこのマンマと いっしょに ぎゅうにゅうや おさとうを まぜた。いちごもいれて いちごのぐらにーたに した。
ぐらにーたがかたまるまで おんなのこのおへやで いっしょにあそんだ。おんなのこのおへやは ぴんくいろで りぼんやおはなが いっぱいあった。いちごのぐらにーた みたいだった。


【4がつ25にち くもり】

よる ねるまえに おんなのこといっしょにあそんだことを おもいだすと たのしいきもちに なれる。もっといっしょに あそびたいな。


【4がつ29にち はれ】

きょうも おんなのこと あそんだ。おんなのこのおへやで おにんぎょうの きせかえごっごを した。おにんぎょうは おようふくをたくさんもっていた。ぼくはむらさきいろがすきだから むらさきいろのおようふくを きせた。おにんぎょうの あおいおめめと おようふくのむらさきいろが きれいだと おもった。


【4がつ30にち あめ】

でんわがなって マンマがでた。ちいさなこえで おはなしをして ないていた。どうしたのってきいたけど、あなたはしらなくていいって いわれた。


【5がつ1にち あめ】

マンマと パーパが おんなのこのおうちに いった。ぼくは おるすばんっていわれたから おうちで たからのものいしを ならべてあそんだ。


【5がつ2にち くもり】

くろいふくをきて マンマと パーパといっしょに まちのきょうかいに いった。みんな くろいふくをきていた。ないているひとがいたから なんでってきいたら マンマに しずかにしなさいって いわれた。
まえのほうに おんなのこもいた。くろいふくをきて おんなのこのパーパと てをつないでいた。おんなのこの マンマは いなかったけど おんなのこのおにんぎょうは おんなのこと いっしょにいた。


【5がつ6にち くもり】

きょうかいに いったひから おんなのこのおうちに おきゃくさんが いっぱいくるようになった。でもおんなのこの すがたは みえない。おんなのこの マンマも いない。


【5がつ10にち はれ】

おんなのこと おにんぎょうであそびたいから おんなのこのおうちに いってもいいって マンマにきいたら だめって いわれた。


【5がつ11にち はれ】

ぼくは かがみのなかにはいることができるけど これはだれにも ひみつ。でも おんなのこと おにんぎょうであそびたいから おるすばんのときに こっそり おへやのかがみにはいって おんなのこのおへやに いってみた。おんなのこは おにんぎょうをだっこして べっどに いた。ちかくでみたら ねているみたいだったけど ほっぺに なみだのあとが あった。おにんぎょうは ぼくのきせた むらさきいろのおようふくを きていた。


【5がつ12にち はれ】

おんなのことはあそべないけど こんどあったときに あげようとおもって きれいないしを さがしにいった。マンマにいったら おこられるとおもったから ひとりで こうえんにいった。ひとりでこうえんにいくのは はじめてだけど こわくなかった。
すべりだいのしたで うすいぴんくいろの まるいいしをみつけたから だいじに ぽけっとにいれて かえった。おんなのこは ぼくのたからものを へんっていったけど きっとこのいしなら よろこんでくれると おもう。


【5がつ13にち はれ】

マンマが あした おんなのこが おひっこしをするのよ っていった。もうあえないのって きいたら もうあえないよ っていわれた。もうあえなくなったら いっしょにあそべないし こうえんでみつけた きれいないしも あげられない。ぼくは いやだと おもった。だから おんなのこのおうちにいって こっそり つれてこようと おもった。
おひるごはんを たべてから おへやのかがみにはいって おんなのこのおうちに いった。
おんなのこのおうちは だんぼーるが いっぱいあって ぶつからずにあるくのが たいへんだった。さいしょに りびんぐにいったけど おんなのこはいなかった。
かいだんをのぼって おんなのこのおへやに いくと おんなのこが おにんぎょうをもって だんぼーるのうえに すわっていた。ぼくは しんぞうが どきどきした。どうやって だれにもみつからずに つれてこれるかな。ぼくがかんがえていると おんなのこが たちあがって といれにいった。おにんぎょうは だんぼーるのうえに おいてある。
いまだ と おもった。
ぼくは もっていたかがみから うでだけをだして いそいで おにんぎょうをつかんだ。そのまま かいだんをおりて ぼくのおうちまで はしった。とちゅうで だんぼーるにぶつかったきがしたけど ふりかえらなかった。
ぼくのおへやまできて ぼくはしんぞうがどきどきして すごくくるしかったけど うれしかった。マンマにみつかるといけないから おにんぎょうは かがみのなかに かくすことに した。
ぼくのおにんぎょう。おんなのこが もっているのを ずっとみてた。あおいおめめで ぴんくのほっぺで きんいろのかみのけ。ぼくが いちばんすきな むらさきいろのおようふくを きている。きょうから このおにんぎょうは ぼくのたからものだ。
おやつはいつもマンマとたべるけど きょうはかがみのなかで おにんぎょうと いっしょにたべた。こうえんでみつけた うすぴんくのいしも あげた。よるごはんまで かがみのなかで ずっといっしょにあそんだ。よるは マンマとパーパに おやすみのきすをしてから おにんぎょうをかがみからだして いっしょにねた。おにんぎょうにも おやすみの きすを した。きょうからずっと いっしょだよ。


【5がつ14にち くもり】

ぼくがおにんぎょうと あそんでいると おんなのこと おんなのこのパーパが さようならを いいにきた。かいだんから こっそりのぞいたら おんなのこが ないていた。おんなのこのパーパが おにんぎょうをなくして きのうからずっと ないているって はなしていた。おんなのこは めがまっかで こえががさがさだった。ぼくは あわてて おへやにもどった。ぼくのおにんぎょうは かがみのなかで わらっていた。ずっといっしょにいたくて だきしめた。これは ぼくのおにんぎょう。でも はやくかえりたい ってきこえて びっくりして おにんぎょうを みたら あおいおめめが おんなのこみたいにまっかになって おくちがゆがんで ないていた。
ぼくはこわくなって そのまま かがみのなかを はしって おんなのこの おうちにいった。まだ げんかんで おんなのことおんなのこのパーパが おはなしをしていたけれど ぶつからないように すりぬけた。おんなのこの おうちのまえに とらっくがとまっていた。ちょうど おおきなかがみが つんであったから そこから うでだけだして おにんぎょうを おいた。
おへやにかえって かがみからでてきたら おそとから おんなのこの こえがきこえた。まどからのぞいたら とらっくのまえで おにんぎょうをもって わらっていた。
ぼくのおにんぎょう。
おんなのこがぼくにきづいて てをふってくれた。ぼくもおんなのこと おにんぎょうに てをふった。おにんぎょうは うれしそうに わらっていた。